いなべ市議会 2022-09-28
令和 4年第3回定例会(第5日 9月28日)
14番、
衣笠民子君。
○14番(
衣笠民子君) 14番議員、
日本共産党の
衣笠民子です。
認定第1号、令和3年度い
なべ市一般会計歳入歳出決算認定に、
日本共産党いなべ市議団を代表して、反対の立場で討論します。
令和3年度
一般会計予算認定のときに、
補助金があるからする事業が今まで以上に目立っている。しかも、どういう事業なのかとの議会からの問いに、まともな説明がないと、
市民温水プール、
野遊びSDGs推進事業・
宇賀渓キャンプ場の整備を挙げて指摘しました。
決算認定に当たっても、今後の
運営経費や市民にとっての利益が明確になっていると言えません。特に
市民温水プールは
指定管理者制度で運営されるため、収益は市のものにならず、全て市の負担であるにもかかわらず、
運営経費が明らかになっていないのは大問題です。その一方で、令和4年度、市長は、
保育園給食費無料の財源として
阿下喜温泉、
農業公園の
指定管理料をなくすことを盛んに進めようとしています。整合性が取れないのではないでしょうか。
次に、
施設管理に
計画性がなく、行き当たりばったりになっていることが顕著になってきた。い
なべ市は、い
なべ市公共施設等総合管理計画を平成28年3月に作成し、平成28年度、2016年度から2045年度まで30年間の計画を持ち、10年ごとに見直しを図っていくとしているが、
施政方針に出されたことや当初予算で予算化されたことが、その年度内に変わるということも珍しくない。当初予算で出されることの信憑性が問われると
一般会計予算認定で指摘しました。
決算審査でも、解体しないのに閉鎖している
中央児童館。
児童館機能は旧
大安庁舎にと、平成31年度
施政方針でも言われていましたが、それもなくなっていることが明らかになりました。
放課後子ども教室事業の主な
実施施設、
北勢福祉センターの処分が決まっていますが、変わる場所も明らかではありません。そもそも
キャンプ場の整備を進めているのは、い
なべ市の知名度を上げて、
移住者を増やす目的なのではないでしょうか。その一方で、
子どもの健やかな育ちを保障する場をないがしろにしていて、目的は達成されるのでしょうか、疑問です。
次に、財政の問題です。い
なべ市地域おこし協力隊、
集落支援員、
地域おこし企業人を多用し
人件費を浮かせ、
特別交付税を確保するやり方を深めています。財政的には上手なやり方ですが、そうして生み出された財源が市民のために使われているのか問われなければなりません。
補助金があるからする事業の
市負担分に使われていないかと
予算認定の折、問いました。
決算を見ると、15億円の黒字を出しています。それならば、
子ども・障がい者・独り親の
医療費助成である
福祉医療費助成の
対象拡大や、保育園・小学校・
中学校給食費の
無料化で
子育て支援の充実など、自治体本来の仕事である市民の福祉の増進に使えたのではないでしょうか。
給食費の
無料化は今年11月から実施されますが、いち早く、ほかの施策とパッケージで行うことによって
移住促進効果が大きくなります。
最後に、
コロナ禍の
行政運営が続きます。国は、
ワクチン接種以外ほとんど無策ですが、
コロナ感染症対応地方創生臨時交付金を出しています。
ワクチン接種は重症化を避ける効果は一定あると思われますが、3回接種しても、4回接種しても感染します。今までかかったことのない新たな疾病なので、影響もよく分かっていません。い
なべ市も保健所や県とも相談しながら、
クラスターを起こさせない対策、医療・介護・
保育施設など、密着を避け難い施設の職員や
利用者の定期的な
PCR検査を行い、
感染拡大を抑える対策を求めて
反対討論とします。
○議長(
小川幹則君) 次に、
賛成者の発言を許可します。
10番、
伊藤智子君。
○10番(
伊藤智子君) 10番議員、
創風会、
伊藤智子です。
認定第1号、令和3年度い
なべ市一般会計歳入歳出決算認定について、賛成の立場で討論いたします。
令和3年度は、
新型コロナウイルスで全国民が不安な中、
新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。い
なべ市は、い
なべ総合病院の全面的な御協力の下、集団接種が可能となり、医療従事者1,300人と市内の高齢者1万3,000人の接種実施計画を迅速に立て、各老人クラブ単位の送迎バスも実施したことにより、市民に多大な安心感を与えました。
それに加え、行政が各課を超え連携し、ホスピタリティあふれる姿勢で業務に当たられ、市民の不安をさらに和らげることとなりました。そして、並行して、各コロナウイルス感染症拡大防止対策を保育園、小中学校での行き届いた感染対策や遠隔テレビ会議システムの導入、自宅療養者への支援、生活支援特別給付金支給など、的確に事業を進めていただきました。
教育費では、ICT教育推進と企業人活用事業として、日本航空の客室乗務員によるお仕事講座とマナー講座、冒険の森アドベンチャープログラムなど、
子どもの未来に大きく影響するであろう、貴重な体験ができる事業を展開されました。ほかに
宇賀渓キャンプ場の整備、
市民温水プール建設事業、野遊び推進事業など、新しいい
なべ市の未来を切り開く事業が着々と進められました。
よって、令和3年度い
なべ市一般会計歳入歳出決算認定に賛成いたします。
○議長(
小川幹則君) これにて、討論を終わります。
これより、認定第1号、令和3年度い
なべ市一般会計歳入歳出決算認定についてを採決いたします。
本案に対する
委員長の報告は認定であります。
本案の賛否について、
表決ボタンを押してください。
押し忘れはありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) なしと認め確定いたします。
賛成14、反対2であります。
よって、本案は認定することに決しました。
次に、日程第16、認定第2号、令和3年度い
なべ市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定についてから、日程第20、認定第6号、令和3年度い
なべ市下水道事業会計決算認定及び未
処分利益剰余金の処分についての5議案は、討論の通告がありませんので、一括して採決いたします。
本案に対する
委員長の報告は、認定及び可決であります。
お諮りいたします。
本案は、
委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、本案は、
委員長の報告のとおり認定及び可決されました。
次に、日程第21、請願第2号、
義務教育費国庫負担制度の充実を求める請願から、日程第24、請願第5号、
防災対策の充実を求める請願の4案件は、討論の通告がありませんので、一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本請願は、
委員長の報告のとおり決することに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、本請願は、
委員長の報告のとおり採択されました。
次に、日程第25、諮問第3号から、日程第41、同意第16号までの17案件を
一括議題といたします。
日程第25、諮問第3号、
人権擁護委員の
候補者の推薦につき意見を求めることについてから、日程第41、同意第16号、い
なべ市農業委員会の委員の任命につき同意を求めることについての17案件は、討論の通告がありませんので、一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり同意することに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、本案は、原案のとおり同意することに決しました。
次に、日程第42、発議第3号、令和3年度
決算審議における
事業評価に関する決議を議題とします。
提出者に提案理由の説明を求めます。
9番、
片山秀樹君。
○9番(
片山秀樹君) 発議第3号、令和3年度
決算審議における
事業評価に関する決議。
上記の決議案を別紙のとおり、会議規則第14条第2項の規定により提出する。
令和4年9月28日提出。
提出者、
予算決算常任委員会。
提案理由としまして、い
なべ市議会基本条例第3条第4号に基づき、
予算決算常任委員会では令和3年度各会計
決算審議において、市が実施した事業が適正かつ公平、公正に執行されたかについて、慎重に審査を行った。
中でも基本事業名、「生活道路網の整備」「集落を基軸にした担い手への支援」「
行政運営の充実」「青少年の健全育成の推進」「健やかな体の育成」を選定し、活発かつ慎重に協議を重ね、事業の検証・評価を行った。その評価結果を別紙のとおり決議するものとする。
1枚めくっていただき、決議案について朗読させていただきます。
令和3年度
決算審議における
事業評価に関する決議案。
令和3年度各会計
決算審議を行った結果、次年度以降の予算編成に当たり、以下について議会の意見を提言すべく決議する。
事業名、生活道路網の整備、議会の評価は、改善し継続する。
事業に係る提言としまして、県単道路改良事業、道路橋梁維持修繕事業、市単独道路改良事業をはじめ本事業において、市民の生活に欠かせない道路整備が施工された。また、市民ニーズ(自治会要望)に適切に対応されたことを評価する。
一方、自治会要望が出されにくい箇所である市境、山間道路での重大事故が起きていることから、危険箇所の発見及び判断、施工の優先については、さらに検討が必要である。また、児童生徒の通学における安全に最大限の注意を払い、教育
委員会及び学校との連携強化を図り、情報共有が迅速に行われるよう努められたい。
道路パトロールによって異常が発見された場合の対応が、より迅速に対応できるよう、パトロールによる現場確認によって維持修繕が施工できるように再考いただきたい。
次に、事業名、集落を基軸にした担い手への支援、議会の評価は、改善し継続する。
事業に係る提言として、本事業の多くが国及び県からの
補助金、交付金を活用した事業であり、事務の執行は適正に行われたと評価する。農業、農地を取り巻く環境は大きく変化しており、就農者の高齢化、担い手不足、耕作放棄などの問題及び課題を具体的な対策につなげる必要がある。農業振興事業が事業概要として掲げている趣旨を踏まえると、事業の実績と成果では、対策を行ったとは言い難く、担い手の育成及び就農者を取り巻く課題及び問題の対策につなげる事業を考える必要がある。また、人・農地プランが掲げる目的、目標を鑑み、多面的機能支払において、参加組織数がさらに増加するよう、事務作業の支援及び活動の相談支援を行うなどの工夫が必要である。
次に、事業名、
行政運営の充実、議会の評価は、改善し継続する。
事業に係る提言としまして、元気みらい都市いなべ推進事業は、地域再生計画に基づき「全世代で、年代に合った運動等を実施し、年代に合った健康データ等の取得及び分析をPDCAサイクル化することで、判断力の向上や運動能力の向上、健康増進などを図る」として、令和元年度から令和3年度まで3カ年計画で事業が実施された。
本事業において集大成となる令和3年度は、7件の事務事業委託を中心に執行された。元気づくりデータ取得支援業務ではデータ収集の対象とする市民を100人と想定しながら、
コロナ禍ということもあり、結果、目標を大きく下回る26人の参加であった。また、元気づくりデータ調査・解析支援業務は、令和元年度から令和3年度にかけ実施されたが、本事業が全世代を対象としているものの、データ分析は主に40代以上を対象としたものであった。
事業総額7,484万円であったにもかかわらず、令和3年度総合計画・総合戦略事業取組経過報告書に記載された本事業の目標達成率は、全4項目中2項目が「判定不能」であり、2項目が「進まなかった」と判定された。これらの結果を踏まえ、本事業に対する
分科会の評価は、問題があるとの結論に至った。
今後、地域再生計画「健康未来都市いなべ推進事業」に掲げた目標を達成するため、地方創生交付金を活用した本事業は終了するが、本事業によって得た成果を今後、い
なべ市が取り組む健康増進施策及び介護予防施策に最大限反映させる必要がある。なお、本事業を基に展開しようとする事業及び施策の方向性を具体的に示されたい。
SDGs未来都市推進事業は、現時点で市民に広く周知された事業とは言い難い。本事業が、地域再生計画に掲げる「獣害対策」「災害対策」「少子高齢化対策」に、どの事業をもってつなげようとしているのか、より多くの市民が理解し参画できるよう、市民への理解促進及び事業の実施によって、付加価値となるSDGsの増進に努める必要がある。
次に、事業名、青少年の健全育成の推進、議会の評価は、改善し継続する。
事業に係る提言としまして、青少年健全育成市民活動事業は、第2次い
なべ市総合計画及びい
なべ市教育振興ビジョンに記載されている事業の趣旨を再認識した上で、事業主体である教育
委員会は、青少年市民育成会議の位置づけ、組織の構成を含め事業内容全体に関して見直しを行うべきである。青少年育成市民会議が対象とするのは18歳未満の青少年である。市PTA連合会が対象とするのは小中学生である。また、市
子ども会連合会が対象とするのは小学生である。
事業の対象者が明確に違うことから、実施すべき事業に違いが生じるものである。しかし、現状は事業のほとんどが中学生以下を対象とした事業となっている。上記を踏まえ、課題及び問題点として本事業が形骸化、恒例化していないか、いま一度、事業を再考いただきたい。
放課後子ども教室事業は、休日及び長期休暇の
子どもの居場所を確保するための重要な事業である。運営主体となっている団体からヒアリングを実施した結果、参加者のニーズを細かく把握し、事業が展開されていると評価する。放課後
子ども教室「ほくせい」の主な実施場所である
北勢福祉センターに代わる場所確保が今後の大きな課題であり、解決を図られたい。また、運営主体である団体は、参加者のニーズを反映し、できるだけ多くの
子どもが事業に参加できるよう、地域へ出向いて事業を行うなど新たな取組を試みている。
多様な環境に置かれている
子どもが、それぞれ関心がある教室に参加できる仕組みづくりは重要である。運営主体である団体と委託内容について十分な協議を行い、多くの
子どもが参加できる事業にする必要がある。いずれの事業も、未来のい
なべ市を担う大切な
子どもたちの成長に必要な事業であり、限られた予算であるが、最大の効果が得られるよう、事業内容を工夫されたい。
最後に、事業名、健やかな体の育成、議会の評価は、改善し継続する。
事業に係る提言としまして、就学前健診事業は、小学校入学に向け、児童の状態を把握する重要なポイントになる。このことを踏まえ、受診には任意となっているが、外国籍児童及び転入児童等の取りこぼしがないよう取り組まれたい。体力向上プログラム事業について、本市におけるコーディネーショントレーニングは、親子のコミュニケーションのツールとして、健康こども部所管の事業としてスタートした。その後、教育
委員会生涯学習へ事業が移管され、
子どもの運動機能向上を目的として事業が行われてきた。
令和3年度には学校教育へ事業が本格的に拡大されている。この経緯において、学校教育におけるコーディネーショントレーニングの位置づけ及び目的が明確にされておらず、本事業によって得られた成果も明確ではない。令和4年度においても、6校を対象に事業は継続されているが、事業の位置づけ及び目的を明確にする必要がある。また、令和4年度実施事業については、コーディネーショントレーニングを学校教育において実施する意義、成果、課題及び問題点を示されたい。学校検診事業(中学校)は、学校保健安全法第6条に基づく検査項目に、近年、近隣市町において対応され始めたピロリ菌検査を加えるよう検討を始められたい。
以上、発議第3号の説明を終わります。
○議長(
小川幹則君) これより、発議第3号に対する質疑を許します。
質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 質疑なしと認めます。
これにて、質疑を終結いたします。
それでは、発議第3号の討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) これにて、討論を終わります。
これより、発議第3号、令和3年度
決算審議における
事業評価に関する決議を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり可決することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) よって、本案は、原案のとおり可決することに決しました。
暫時休憩します。そのまましばらくお待ちください。
午前 9時45分 休憩
午前 9時45分 再開
○議長(
小川幹則君) 会議を再開いたします。
お諮りいたします。
ただいま、
都市教育民生常任委員長から、発議第4号、
義務教育費国庫負担制度の充実を求める
意見書の提出について、発議第5号、
教職員定数改善計画の策定・実施と
教育予算拡充を求める
意見書の提出について、発議第6号、
子どもの
貧困対策の推進と就学・
修学支援に関わる制度の拡充を求める
意見書の提出について、発議第7号、
防災対策の充実を求める
意見書の提出についての発議4件が提出されました。
よって、発議第4号から発議第7号までの発議4件を順に、
追加日程第1から
追加日程第4として、議題といたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、発議4件を日程に追加し、議題といたします。
暫時休憩します。再開は、10時5分といたします。
午前 9時47分 休憩
午前10時05分 再開
○議長(
小川幹則君) 会議を再開いたします。
追加日程第1、発議第4号から
追加日程第4、発議第7号までの4件を
一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
8番、
篠原史紀君。
○8番(
篠原史紀君) 発議第4号から発議第7号までの4件につき、一括で提案理由の説明をいたします。いずれも
意見書案の朗読をもって説明に代えさせていただきます。
それでは、発議第4号から説明いたします。
発議第4号、
義務教育費国庫負担制度の充実を求める
意見書の提出について。
上記の議案を別紙のとおり、会議規則第14条第2項の規定により提出する。
令和4年9月28日提出。
提出者、
都市教育民生常任委員会。
義務教育費国庫負担制度の充実を求める
意見書(案)。
義務教育費国庫負担制度が充実され、国の責務として必要な財源が確保されることにより、未来を担う
子どもたちの「豊かな学び」を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことです。
義務教育費国庫負担制度は、憲法の要請に基づく義務教育の根幹である「無償制」「教育の機会均等」を保障し、「教育水準の維持向上」を図るため、国が責任を持って必要な財源を措置するとの趣旨で確立された制度です。教育の全国水準と機会均等を確保する義務教育の基盤をつくるためには、教職員の確保、適正配置、資質向上及び教育環境整備等諸条件の水準を保障すべきであり、そのために必要な財源を安定的に確保することが不可欠です。
かつては対象であった教材費等は、1985年に対象外とされ、現在も地方財政措置による一般財源としての措置となっています。義務教育の水準が各自治体の財政力に左右されることなく安定的に確保されるためには、一般財源ではなく、国庫負担金による財源確保の
対象拡大、さらには、その増額が極めて重要と考えるところです。学校教育現場では教育のICT化が急速に進められ、多くの自治体で1人1台端末が整備されたものの、ソフトの導入や周辺環境の整備に対する地方財政措置は一部に限られており、十分ではない状況です。より適した学習用教材の活用や周辺機器の充実、システムの更新など、教育環境の水準の維持向上に当たっては、自治体間格差を生じさせないようにするためにも、地方財政措置ではなく、国庫負担による財源確保が必要です。
事実として、端末の修繕費や家庭等での通信費、その他の保守に関する経費等の公的負担・私費負担の状況には、自治体間の格差が生じてきています。さらに、2021年8月改正の学校教育法施行規則に新たに定められた情報通信技術支援員、特別支援教育支援員、教員業務支援員、あるいは学校図書館法に定められている学校司書についても、地方財政措置はあるものの、各自治体の一般財源となる措置であることから、結果として自治体間格差が生じ、教育水準と機会の均等が図られているとは言えない状況となっています。未来を担う
子どもたちの「豊かな学び」を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことです。義務教育については、国が責務を果たすとの理念に立ち、教育に地域間格差が生じないよう、必要な財源を確保する
義務教育費国庫負担制度の存続はもとより、措置の対象の拡充を含めた制度のさらなる充実が求められます。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出します。
令和4年9月28日、い
なべ市議会。
本
意見書の提出先は、財務大臣であります。
次に、発議第5号、
教職員定数改善計画の策定・実施と
教育予算拡充を求める
意見書の提出について。上記の議案を別紙のとおり、会議規則第14条第2項の規定により提出する。令和4年9月28日提出、提出者、
都市教育民生常任委員会。
教職員定数改善計画の策定・実施と
教育予算拡充を求める
意見書(案)。
子どもたちの「豊かな学び」の保障に向け、
教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算の拡充を行うことが最も重要な環境整備の一つだと考えます。2021年4月、国の学級編制の標準が40年ぶりに改善され、小学校35人学級が段階的に実現することとなりました。しかし、2022年度の教職員定数については、基礎定数化に伴う教職員配置の見直し等により、教職員の自然減を上回る定数の措置には至っておらず、学校現場の人的配置の充実を求める多くの声を反映したものになっていません。
また、中学校の学級編制の標準や高等学校等の教職員定数の標準の改善については、現時点において示されてはいません。国際的な比較において、日本の1クラス当たりの児童生徒数は、2021年経済協力開発機構(OECD)公表値では、小学校27人(OECD加盟国平均21人)、中学校32人(同23人)と、どちらもOECD加盟国の平均的水準に到底及んでいない状況であり、小学校のみの改善にとどめることは合理的ではないと言わざるを得ません。教職員が心身ともにゆとりを持って
子どもたちと向き合い、日々の教育活動を創り出していくことは、
子どもたちの「豊かな学び」の保障につながる基盤となるものです。
子どもたちが安全・安心に学べるようにするためにも、全ての校種における学級編制と教職員定数の標準を改善する新たな
教職員定数改善計画の策定と実施が強く望まれています。
一方、財務省、財政制度等審議会は、OECD諸外国と比べ、教育費の私費負担が高額となっている現状についての妥当性を主張し、教職員定数の改善や教育費の公財政負担の拡充には否定的な意見を示しています。しかし、少子化が進む中、子育て世代のみにその私費負担を集中させることは、さらに少子化を進める悪循環を生む大きな要因になるとも考えられます。
家庭の現実に目を向ければ、
新型コロナウイルス感染症の影響による収入減や感染対策に係る保護者の経費負担増など、厳しい状況は今なお続いており、さらに、教育のICT化に伴う機器の整備費や通信費等の新たな保護者負担も生じています。また、多くの学校が施設の老朽化という課題を抱えている中、大規模
改修工事における国の支援が必要です。公財政として措置される教育予算を拡充し、教育条件整備を進めていくことが、山積する教育課題の解決へとつながり、そして、
子どもたち一人一人の「豊かな学び」を保障することになると考えます。
以上、
地方自治法第99条の規定により、
意見書を提出します。
令和4年9月28日、い
なべ市議会。
なお、本
意見書の提出先は、文部科学大臣であります。
次に、発議第6号、
子どもの
貧困対策の推進と就学・
修学支援に関わる制度の拡充を求める
意見書の提出について。
上記の議案を別紙のとおり、会議規則第14条第2項の規定により提出する。
令和4年9月28日提出。
提出者、
都市教育民生常任委員会。
子どもの
貧困対策の推進と就学・
修学支援に関わる制度の拡充を求める
意見書(案)。
子どもの
貧困対策の推進と就学・
修学支援に関わる制度が拡充することは、全ての
子どもたちの学ぶ機会を保障するために重要なことです。三重県では、現在「第二期三重県
子どもの
貧困対策計画」に基づき、取組が進められています。そして、その基本理念には「生まれ育った家庭の経済状況にかかわらず、三重の
子どもが必要に応じた教育支援、生活支援、親への就労支援等によって、夢と希望を持って健やかに成長できる環境整備が図られている状況を目指す」と示されています。
支援を必要とする
子どもたちに対し、相談体制などを充実させる取組や、学校だけでは解決が困難な事案について、関係機関と連携した支援を行うなど取組が今以上に進められていく必要があり、貧困の連鎖を断ち切るための教育に関わる公的な支援が極めて重要であり、就学・修学保障制度のさらなる拡充が必要と考えます。
高等学校等就学支援金制度においては、標準的な修業年限を超過した場合、就学支援金の対象外となることや、履修単位数によって授業料を定めている場合に支給上限が設定されていることなど、改善すべき課題があります。また、高校生就学給付金制度における第1子と第2子以降に対する給付額の差の解消や、専攻科生徒への
修学支援制度における国庫負担の割合の引上げについて、国の責任において、さらに進めていくことが求められます。
一方、大学生等を対象とした「高等教育の
修学支援新制度(授業料等減免・給付型奨学金)」として、6,211億円(前年度比371億円増)の国予算が確保されました。予算額の充実は見られるものの「個人要件」「機関要件」の設定など、適用要件の緩和や返還猶予制度のさらなる充実が求められます。また、文部科学省の調査(2022年6月公表)によると、2021年度の大学等の中途退学者・休学者における
新型コロナウイルス感染症を理由とする学生等の割合は、2020年度に比べそれぞれ増加しており、
子どもたちの将来への進路選択にも影響を及ぼしています。2021年度、国は「学生支援緊急給付金」を創設し、大学等での「学びの継続」のための学生等への支援を進めましたが、2022年度における事業の継続は示されていません。経済格差を教育格差に結びつけないために制度・施策により一層の充実が求められます。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出します。
令和4年9月28日、い
なべ市議会。
なお、本
意見書の提出先は、文部科学大臣であります。
次に、発議第7号、
防災対策の充実を求める
意見書の提出について。
上記の議案を別紙のとおり、会議規則第14条第2項の規定により提出する。
令和4年9月28日提出。
提出者、
都市教育民生常任委員会。
防災対策の充実を求める
意見書(案)。
子どもたちの安全・安心を確保するために、巨大地震等の災害を想定した
防災対策の充実を図ることは非常に重要です。
2022年3月25日に文部科学省が示した①第3次学校安全の推進に関する計画では、学校施設・設備の安全性確保のための整備として、老朽化対策の推進はもとより、対策の遅れている非構造部材の耐震化の推進や、近年、激甚化・頻発化する風水害対策も重要であるとされています。2021年4月現在で、三重県においては、公立小中学校の全体の23.3%に当たる115校の小中学校が、県の公表する津波浸水想定区域内に立地し、うち、105校は避難所に指定されています。時間的に余裕を持って避難できる高台が周辺になく、津波に対する安全性が確保されない学校については、高台移転や高層化などの対策が求められています。国による津波対策のための不適格改築事業については、2015年に制度の拡充がなされたものの、補助要件である「津波防災地域づくりに関する
法律」に基づく「津波防災推進計画」の策定は全国的にも進んでおらず、支援制度の活用が難しい状況です。補助要件の緩和、補助対象の拡大等、支援制度のさらなる拡充を求めます。
新型コロナウイルス感染症拡大の状況においても、災害時には避難所は開設されています。国が示したガイドラインにはPPE(Personal Protective Equipment、個人用防護)の準備、スペースの適切な分離等が記載されていますが、それぞれの自治体において施設やスペース、資材、人材を十分に確保するためには国からの財政的支援の充実が不可欠です。災害や感染症は、いつ発生するか分かりません。性やプライバシーに関する課題への対応、また、外国人、介助・介護が必要な高齢者、障がい者、女性、乳幼児への配慮など、まだまだ改善すべき課題は山積しています。国の責任において、安心して被災者が避難できるように備えるべきです。過去の災害に学び、最善の備えを整えていくという考えの下、防災に関わる施策がさらに充実されることを強く望むところです。
以上、
地方自治法第99条の規定により
意見書を提出します。
令和4年9月28日、い
なべ市議会。
なお、本
意見書の提出先は、文部科学大臣であります。
以上、発議第4号から第7号の説明を終わります。
○議長(
小川幹則君) これより、発議第4号から発議第7号までの4件に対する質疑を許します。
質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 質疑なしと認めます。
これにて、質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
発議第4号から発議第7号までの4件は、会議規則第37条第3項の規定により、
委員会付託を省略したいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、発議第4号から発議第7号までの4件は、
委員会付託を省略することに決しました。
発議第4号、
義務教育費国庫負担制度の充実を求める
意見書の提出についてから、発議第7号、
防災対策の充実を求める
意見書の提出についての4件は、討論の通告がありませんので、一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり可決することに、御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、本案は、原案のとおり可決することに決しました。
お諮りいたします。
総務経済、都市教育民生、予算決算の各常任
委員長から所管事務調査の閉会中の
継続調査の申出がありました。
よって、
委員会の閉会中の
継続調査の申し出についてを日程に追加し、
追加日程第5として議題といたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
それでは、
追加日程第5、
委員会の閉会中の
継続調査の申し出についてを議題といたします。
本件は、各
委員長からの申出のとおり閉会中の
継続調査とすることに、御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、各
委員長からの申出のとおり閉会中の
継続調査とすることに決しました。
お諮りいたします。
閉会中の
議員派遣についてを日程に追加し、
追加日程第6として議題といたしたいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
それでは、
追加日程第6、閉会中の
議員派遣についてを議題といたします。
当面の
議員派遣については、お手元に配付の別紙のとおり派遣したいと思います。
これに御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
小川幹則君) 異議なしと認めます。
よって、閉会中の
議員派遣については、別紙のとおり派遣することに決しました。
これにて、本
定例会に付された案件の審議は全て議了いたしました。
お諮りいたします。
本
定例会中の本会議における議員の発言において、後刻、速記録を調査し、不穏当な発言がありましたら、議長において善処したいと思います。
これに御異議ございませんか。